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【Switch】 Magic Scroll Tactics 【シミュレーションRPG】


2022.05.30.Mon.21:26
magicscrolltactics_title.jpg

●レビュー説明
プレイ期間:1週目クリアまで
プレイ時間:18時間ぐらい
プレイ環境:NintendoSwitch

●概要とか特徴
サイドビュー形式のシミュレーションRPG。
召喚士の主人公とその仲間たちを操作して、盗賊や魔物などと戦っていく。

●公式(Switch)
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000013269.html

●おすすめ度とまとめ
3.0/5.0
良いところも悪いところもある。合う人には合う。
1サイクルが短めなので、ライトに楽しむことはできる。
●ProsCons
 ▼良いところ
 ○中々楽しめるプレイ体験

 高低差のシステムがあるものはよくあるが、サイドビュー形式のシミュレーションRPGは中々見ない。
 相手より高い位置を取ると戦闘で有利になる(命中UP・防御半分無視)ため、どのように上を取るか、相手を下に降ろすかが重要になる。
 また、高所からの弓は攻撃範囲が広くなったり、直線で発射される魔法は地形を無視できないため
 高所からの方が遠くに届くなど、高低差が影響する部分も大きい。ある意味では地形効果の一つとも言える。もちろん通常の地形効果も存在するが。
 高所を取る固定砲台の敵や、移動阻害持ちのドラゴンなどは強敵だが、戦いをどのように有利に運んでいくかを楽しめる。

 ○パーティをある程度自由に構成できる
 パーティは最大で主人公+召喚キャラ5体+お助けキャラの7人編成になる。
 このうち召喚キャラについては、種族5体とクラス3~4つから選ぶことができ、好きな構成で物語を進めることができる。
 バランスよく選択し構成することも、同じ種族5体で組むことも可能。
 
 ○ある程度自由な育成方針を立てられる
 戦闘によって経験値を取得し、レベルアップしてステータスが上がる通常のシステムの他に、スキルツリーシステムがあり、そちらではレベルアップによって得られたAPを使い、ステータスの底上げやスキル・特性の習得などを行える。
 これによって、使える魔法は少ないがステータスの高いメイジ、ステータスは高くないが使える魔法は多いメイジのように方針を決めることができる。
 前述の構成の自由度もあり、十人十色の戦略性を楽しめるようになっている。
 magicscrolltactics_1.jpg
 ▲可愛くて明らかに柔らかそうな種族に壁役をやらせた時の様子。
  5種族で最大のMP自然回復量を持つため、前線に立てるサポート・蘇生役として優秀だった(壁とは)


 ○フリーバトルマップがあり気が済むまでレベリングできる
 メインクエストを進めるマップの他に、フリーバトルマップが存在する。
 メインクエストマップは一度しかクリアできないのだが、経験値・スキル習得にはフリーバトルマップを利用することができる。
 スキルツリーで使うアビリティポイントも貯めたゴールドで買えるため、カンスト・全アビ取得を目指す土壌は整えられている。
 やり込み派の人には朗報だろう。

 ○プレイ開始から攻略終了までの1サイクルが比較的短い。
 ファイアーエムブレムなど、1マップの攻略に時間が掛かるタイプではないため、気軽にプレイしやすい。
 フリーマップの存在もあり、少しだけ空いた時間でレベリングする、なんて遊び方でもやりやすいだろう。

 ○かわいいキャラクター達
 キャラクター達の立ち絵などは、可愛らしい落ち着いた絵柄になっており、個人的に評価できる。
 ユニットグラフィックそのものもシンプルで可愛らしい。
 (上手い表現ができてないのでアレ)

 ○バグがない
 クリアまでプレイ中にバグに遭遇しなかったのは高評価。

 ○価格
 インディーゲームの良いところで、安いのでとても買いやすい。
 セール期間外でも1200円で、20時間程度遊べると思えばコスパは悪くない。

 ▼良くないところ
 ○後半のゲームバランスがやや厳しい

 ・ステータスの部分
 味方の防御力よりも敵の攻撃力が高くなってくるため、防御特化させたキャラ以外は殴られると長く持たない。
 即時回復はとにかく使いづらいため、火力装備を持たせてレイズや蘇生薬を使い続けゾンビアタックする方が楽。
 予備武器枠にリジェネの魔道書・レイズの魔導書を持たせる人も多いハズ。
 逆に防御特化させたキャラ(≒トカゲタンク)は存在しているだけで心強い。
 尤も、低命中に低移動力で肉壁以外にできることは少ないのだが…(なのでお守りに魔道書を持たせたりすると良いが、壁役とは。)
 また、敵はHPが大きくて硬かったり、敵のヒーラーに回復されたりするため、 防御を高めるよりも攻撃を高めた方が攻略上楽というのも火力至上主義に拍車を掛けている。
 
 ・地形などの話
 後半になると、こちらの移動は制限されているが敵の配置や特性(飛行しているなど)で有利な状況が続く。
 例として、スタート地点は低所だが、かなりの高所にアーチャーが配置されているとか、先に進むには下に降りて回って上に登らないといけないが、状態異常を与えてくる飛行型の敵が配置されているとかのパターンが多い。
 それだけならまだ良いのだが、あまり有効な対応手段がなく、ろくに降りてこないこともあり、当たることを祈りながら攻撃するか、火力盛り魔法ぶっぱになる。もちろん硬いのですぐに倒せるわけではない。
 ここまで来ると歯ごたえというより理不尽さを感じる。レベリングによってある程度対抗できるのが救いか。


 ○一見高そうな編成の自由度だが、そこまで高くない
 ・キャラクターの話
 召喚された仲間キャラはクラスを選択することができ、メイジ・アーチャー・ヒーラーに加えて種族ごとに特定クラスを選択できる。
 最初から召喚されているメンバーである、各種族1体ずつ・得意クラス選択の結論構成が最もバランスが良く、出撃数的にもマッチしているため、変える理由が殆どない。
 さらに、召喚という新規の仲間を追加できるシステムもあるが、プレイ中に新規の種族・クラスが増えることはなく、意味はかなり薄い。
 召喚して即身ぐるみ剥がして放逐を繰り返すことによって、効率の悪い金稼ぎが可能なことぐらい。
 種族数が多ければ、選択して考える余地もあるだろうし、出撃枠が多ければ、同一種族が別クラスになれるメリットもあったはずだが。

 ・スキルツリーの話
 レベルアップでAP上限がアップし、APを使ってスキルツリーを進めることができる。
 スキルツリー内容は枝分かれが中心で前提スキルなどは存在しているが、ツリーの幅自体もそこまで広くはなく、有用なスキル、使用に耐えないスキル、欲しいスキルなどを考えると、最終的に似たようなツリーに落ち着く。
 また、APがある分だけスキルツリー内容を変えられるが、新スキルのセット後は使えるようになるまで学習が必要となり、すぐには使えない(=レベリングが必要な)ため、通常と異なるスキルの組み合わせを試すだけでも手間になっている。
 AP制か学習制のどちらかだけを採用できなかったのだろうか。
 また、主人公のスキルツリーは良く言うと汎用的、悪く言うと器用貧乏であり、各クラスほど特化した特性もなく、魔法も最高ランクのものは習得できなかったりと、攻撃が求められる環境で攻撃特化にできない(防御特化にもできない)ため、強制出撃なのもあり援護ポジションにせざるを得ない。
 主人公専用スキルの存在もあり、活躍の場がないということではないし、標準以上にAPを高めれば器用万能になれる可能性は秘めている。

 ○そもそもシステムを活かしきれてない
 上記のように見た目に分かる地形効果という感じだが、前述した攻撃効果アップ、攻撃範囲の拡張、移動制限、飛行キャラ以外にはこれといった見どころがない。
 地形がこちらの有利になるように配置されたマップもあまり多くはないため、戦う上でただ厄介になっているだけのイメージが強い。
 縦方向に移動がし易いキャラとか、高い位置を陣取る相手をピンポイントでメタるキャラとか、味方の移動をアシストするキャラ、櫓を作るキャラとかが居ても良かった気もする。
 サイドビュー形式かつ世界観とマップ構造上の兼ね合いから仕方ない部分もあるが、移動ルートも1本道であることも多いため、平坦な部分で戦闘が始まってしまうと味方キャラが渋滞になってしまう。
 迂回路があるほどにマップが広ければ、戦略性もあって良かったと思うのだが、ユニット数の兼ね合いや世界観などもあり難しいところだろう。

 ○ストーリーはあまり印象に残らない
 巫女の女の子が仲間になったり離脱したり海賊の女の子が敵として現れたりなんか封印が解かれたり封印したりするぐらい。
 正直あまり覚えてないが、まあ仕方ない。

 ○フリーバトルマップ
 …という名前だが、限定アイテムは普通にあるのでそれが欲しければ1度は攻略しなければならない。
 ここは好みが分かれるところ。

 ○Switch以外では実績が実装されているが、一部の実績は2周目での解除が前提になっている。
 2周目は最初からすべてのマップに挑むことができるようになっているが、それ以外に引き継がれる要素はなく、実績解除狙い以外で2周目をプレイするモチベーションが上がりにくい。Switchには実績なんて無いため、なおのことである。


●総評
良くも悪くもインディーゲームという感じ。
少々勿体なく感じる部分が多いが、口に合う人には最後まで楽しめる出来になっていると思う。 
1プレイが短めなこともあり、もし興味があれば適当なタイミングで買っておくと意外と楽しめるかもしれない。


●余談
また長くなってしまった・・・
ただある程度スラスラと書けたので良し!
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