ファントムオブキル【シミュレーションRPG】
2014.11.16.Sun.19:34
ファントムオブキル(-、略称:ファンキル等)

プレイ期間:気が向いた時
プレイ料金:基本無料
現在までの課金額:0円
運営&開発:Fuji&gumi Games
ジャンル:シミュレーションRPG
プラットフォーム:Android
プレイ人数:1人
クライアントサイズ:900MB程度
備考:なし
評価
ゲーム性:3
独創性:2-
グラフィック:4
音楽:3
やり込み:4
見抜き:3-
課金度:4
運営:3
民度:不明
ポイント
・あれ?このゲームシステムどこかで見たことがあるぞ!
・デザイン関係は拘ってるっぽい
・熱い(バッテリーが)
・超硬いペガサスナイトが敵軍を反撃で倒していくゲーム
-概要
ファントムオブキルは、Fuji&gumiGamesが「Fuji&gumiGames第一弾スマホアプリプロジェクト」として、2014年10月23日にAndroidにてリリースしたシミュレーションRPGである。Fuji&gumiGamesとは、株式会社gumiとフジ・メディア・ホールディングスが合併した会社である。(株)gumiはモバイルゲームの企画・開発・運営を行っており、フジメディアHDはフジサンケイグループ(つまりフジテレビ)の企業グループである。Fuji&gumiGamesはメディアミックス型モバイルオンラインゲーム開発を手掛ける企業として立ち上がった。
メディアミックスとは、簡単に言えば『人気の漫画』のキャラを使った『ソーシャルゲーム』が出るように、元々一つのメディアのみであった原作作品を、別のメディアにも展開を行っていくことを指す。ファントムオブキルの場合は、ゲームを原作として、いろいろな形でメディアミックスしていく、ということなのだろうか。実際にオープニングムービーはProduction.I.G.が担当しており、予算が沢山あるんだなぁとこだわりを感じられる。
『ファントムオブキル』の意味についてだが、phantomが幻影とかそんな感じで、名詞として使われるkillは獲物とかそういう意味があるっぽいので、『獲物の幻影』という感じだろうか。意味はよく分からないが。

-特徴・ゲームシステム
・ゲームの流れ
全体のゲームの流れとしては、スタミナを消費してクエストに出発し、それをクリアすると新たなクエストが出現する、という、基本の形になっている。ガチャでユニットを集め、クエストでレベルを上げたり武器を手に入れたりして、ユニットをより強くし、新たなクエストに挑戦していくことになる。

・シミュレーションRPG
システム面はいわゆるSRPGになっており、マス目で区切られたマップ上を、ユニットを1つずつ動かして操作し、敵を撃破していく、という形になっている。自軍が動くターンと敵軍が動くターンで分けられており、全員が動く(自軍の場合はターン終了を選択しても良い)ことで、相手の軍が動くターンになる。勝利条件を満たす(今の所、敵の全滅のみ?)とステージクリアとなり、敗北条件を満たす(今の所、自軍が全員撤退するのみ?)とゲームオーバーとなる。味方ユニットは撃破されても撤退するだけであり、某ゲームのように死亡してロストしたりはしない。

▲え?すごい某ゲームっぽい?まぁ落ち着いてくださいよ
・キャラクター
伝説や神話などをモチーフにしたキャラクターが登場する。設定的には「姫(キラープリンセス)」という名称があるがどうでもいい。ちなみに、全員女性であり、男性は今のところ存在しない。彼女らが使用する武器は、モチーフとなった名前から取られている。例えば、「アルテミス」というキャラクターは弓を使い、「ロンギヌス」というキャラクターは槍を使う。彼女らが装備する『武具』については後述。
それぞれの姫にはクラスとレアリティの組み合わせが複数存在しており、同一の姫でもクラスやレアリティが違うユニットが存在する。そして、さらにユニットごとに成長タイプがランダムで決定される。
また、キャラクターボイスも付いており、戦闘時や撤退時など、いろいろな状況で喋ってくれる。チームリーダーに設定すると、メニュー画面に登場するようになり、姫をタップすると喋ってくれる。

・武器や武具の合成・強化
武具は装備しなくても戦えるが、装備することで姫のステータスが上昇し、より有利に戦える。
ユニットが使用する武器は大きくわけて6種類あり、武具は剣・槍・斧・弓・銃・杖・盾の7つ存在する。特徴は以下の通り。
○剣…攻撃力は低いが命中率が高い。斧に強く槍に弱い。
○槍…剣と斧の中間の性能。剣に強く斧に弱い。
○斧…攻撃力は高いが命中率が低い。槍に強く剣に弱い。
○弓…射程が2マスであり、壁やユニットを越えて攻撃できる。目の前の敵を攻撃できず、近寄られると反撃できない。
○銃…射程が1~2マスである魔弾を使える。魔力系ステータスを参照する。攻撃時にHPを消費する。
○杖…自分のHPを消費して目の前の味方のHPを回復できる。相手のHPを吸収する専用魔弾も使えるが性能は低い。
○盾…防御・魔防が上がるが攻撃・魔力・命中が下がる。クラスに関係なく装備できる。
剣と槍と斧はじゃんけんのような三すくみの関係になっており、剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強いという関係がある。弓や魔弾には存在しない。
また、ユニットと同様にレアリティが存在し、レアリティが高い武具ほど強力な性能を持っているが、レアリティの高い武具を扱うためにはユニットの武器熟練度が相応のランクになっていないと装備できない。
武具は使用回数が付いている消耗品ではなく、レア度の高い武具も好きなだけ使うことができる。ただし、武具を装備したユニットが撃破されると、武具が破損することがあり、修理(確率)に失敗すると消失する。
2~5つの武具を1つの武具に合成することができる。合成結果はある程度の傾向はあるもののランダム。レアリティの高い武具は合成のみ入手できる。
他にも、使い込むことで武器自身が成長し、ステータスが上がるシステムがあったりする。
・ユニットの成長や強化
ユニットのレベルが上がると各種ステータスが上昇する。全てのステータスが成長するわけではなく、ステータスごとに成長する確率が決まっていて、そのステータスが伸びるかどうかはランダムになっている。そのため、全てのステータスが成長することもあれば、全てのステータスが成長しないこともある。祈ろう。ステータスの成長確率はユニットの姫タイプによって決定される。姫タイプの特徴は以下の通り。あくまで傾向であり、攻姫型だから防御が全く上がらない、ということではない。
○王姫型…バランス良く成長しやすい。運も伸びる。
○命姫型…HPが成長しやすい。
○攻姫型…攻撃が成長しやすい。
○魔姫型…魔力が成長しやすい。
○守姫型…防御・魔防が成長しやすい。
○匠姫型…技・早さが成長しやすい。
レベル上限はユニットのレアリティによって決まっており、それぞれレア1・2・3・4・5はLV20・30・40・50・60となっている。LV上限になったユニットは、クラスが下級職の場合に限り、素材ユニットを使用して上級職にクラスチェンジできる。クラスチェンジすると進化前のステータスの10%を引き継いでLVが1に戻る。
ステータスの強化はレベルアップ以外にも、姫を姫に合成することでもステータスの底上げができる『姫統合』というものがある。素材となるユニットごとに成長させられるステータスが決まっており、合成することで一定の確率でステータスが強化される。クラスごとに強化できる限界は設定されており、無限にステータスを強化できるわけではない。

▲え?レベルアップの様子も姫統合の様子もどこかで見たことあるって?またまた~w
-評価点
・声優を使っていること
筆者としてはあまり気にしない要素だし、昨今のソシャゲ業界では予算が多く取れているためか特に珍しいことではないが、一部の人間にはかなり重要な要素だろう。前述した通り、いろいろな状況で喋ってくれるので、キャラの特徴を掴みやすい(と思う)。

・画像やエフェクトといったグラフィック的な面は良好
映像関係が得意っぽいようなフジメディアのお陰か、様々な部分のグラフィックがこだわりを見せている。
Production.I.G.が手掛けたオープニングムービーも秀逸。
・ゲーム自体は楽しい
後述に様々な問題点はあるが、ゲームとして楽しめる出来になっている。
・その他細かい評価点
○オートセーブである。むしろオートセーブあるため、不慮の通信エラーやフリーズに対策が出来ていると言える。
○ほったらかしにしなければならない時間がそこそこあるので、作業の合間合間でゲームを進めやすい。さらに、クリア後のクエストはユニットを自動で動かしてくれるオートプレイ機能もあり、放置ゲーがさらにやりやすくなっている。充電に注意。
-問題点
●パク……オマージュの問題
・てごわいシミュレーションこれくしょん
ゲームシステムの項を見て気づく人は居ると思うが、早い話、任天堂のファイアーエムブレム(以下FE)をパク……参考にしている。マス目になったMAP上でユニットを動かすというシステムはまだ分かるが、剣槍斧の3すくみはFE基本システムであるし、飛行ユニットが弓に弱いのもFEの基本システム。射程が1~2マスと使い勝手の良い魔法……いや魔弾でHPを消費するのは、FEシリーズの中でも武器が破損しない作品のFE外伝をパク……借用して作られていると思われる。レベルアップによる成長システムもFEではよく見られる光景。
また、姫統合のシステムや、メインメニューでキャラクターが喋ったりする仕様等、艦隊これくしょんをパク……彷彿とさせるようなシステムがぽつぽつと見られる。
まとめると、FEと艦これにソシャゲシステムをぶち込んだものと言って差し支えないだろう。このゲームの企画や開発には、どんな意図があるのかは不明。よくよく思えば、タイトル画面あたりの見た目や音楽といった雰囲気は、そこはかとなくFE覚醒っぽい。あくまでこれは筆者個人の憶測であり、それの域を出ない。任天堂法務部の動向にも注目したい所か。
●ゲームバランスの問題
・ゲームバランス(前提)
一度に出撃できるユニットは6体。自軍5体とレンタルユニットの1体のみで、自軍側は7体以上のユニットを用意することはできない。こちらのユニット数が圧倒的に足りず、戦線らしい戦線があまり作れない(MAPの構成次第だが)。よって後衛(弓・杖)が狙われやすく、これらのクラスは扱い辛い。つまり、相手を殴り殴られHPを回復させる必要がある攻撃の高いユニットよりも、小さくとも一方的にダメージを与えられる防御の高いユニットを揃えた方が攻略しやすいのだ。間接攻撃ができる近接武具もあり、弓の扱いづらさに拍車を掛けている。近接も間接もできる銃はまだ救いはあるが、HPを消費するリスクがやや辛い。
また、槍と斧には間接攻撃ができる武器がやや入手しやすく、デメリットも気にならない程度なので、遠距離職の不遇がさらに増している感がある。
以上が現在のゲームバランスの話である。操作できるユニットが増えれば戦略の幅も広がるとは思うのだが、メモリ処理の問題や1プレイに掛ける時間という面で、あまり大規模にするとマズイのだろう。しかし、戦略シミュレーションであるからには、大規模な軍勢を動かしてみたかった。
・姫タイプの当たり外れ
ここにまず絡んでくるのは「姫タイプ」の話。姫タイプは、ユニットの入手時にランダムで決定され、大まかなステータス成長方針が決定される要素。6つのタイプがあるのは前述したが、攻略という観点から見れば命姫型や守姫型が欲しい所。しかしそれを意図して決定できず、攻略に向いたユニットをガチャで引こうと思っても、姫タイプまで厳選する必要が出てくる。わざわざ姫タイプとかいう要素を入れず、クラスで成長率を決めれば良かったのでは。または、姫タイプを変更できるシステムを作る必要があるだろう。
また、現時点では剣・斧・槍・弓使いには「魔力」ステータスは必要なく、死にステータスになっている。しかし、そういうユニットにも「魔姫型」が設定されることがある。逆も同じであり、銃・杖使いには「攻撃」ステータスが必要ないのに「攻姫型」に設定されることがある。このユニットはレア以前にハズレであることは間違いなく、折角高レアリティのユニットを引いたのに死にステータスばかりが成長してしまうユニットになってしまう。ただし、その可能性があるだけで、必ずそういうステータスになるわけではない所が面白い所ではあるのだが、今のところボルトアクス(FEにある魔力依存の斧)のように、それを活かす要素はない。FEでもボルトアクスを活かしきれてないというのは置いといて。
・明らかな強ユニット
確かに、姫タイプがあるお陰で、ユニットの個性を強めることはできていると思う。しかしその影響で「地形を無視して飛行でき、移動力が高いフェニックスナイト(機動力重視で攻撃・防御はあまり高くない)」が「敵の攻撃や魔法をものともせず反撃で蹴散らしていく」という無双ゲー現象が起こる。レンタルユニット(プレイヤーがチーム1のリーダーにしているユニットがそれになる)の大半が飛行ユニット、次点で乗騎ユニットであることからも、乗騎系+防御系姫タイプのユニットが強キャラであることは間違いない。
また、不具合かどうかは分からないが、飛行ユニットが地形効果を受けるという点も、飛行ユニットの強さを後押ししている要素の一つでもあり、総じて、飛行系+防御姫>乗騎系+防御姫>鎧系全般>その他近接系>その他後衛系 といった環境になっている。HPを回復する必要が殆どなく、単独で戦えるユニットが基本的に強い。そういうゲームバランスになっていること自体は問題はないし、そういったユニットで編成しないと攻略が出来ないわけでもない。敵軍を少しずつ引き寄せて戦えるMAPなら問題はないが、敵軍が一斉に襲い掛かってくるMAPは、こちらの頭数が足りず戦線が作れないため、「防御系飛行ユニットを有利地形に飛ばして反撃ゲーにする」とかいう戦略もクソもない面白みのない立ち回りになってしまうのが問題である。
・経験値の問題
重ねて、経験値の入手が「戦闘後にチーム全体に振り分けられる」という点も問題ではある。無双ユニット1体に突撃させて蹴散らすだけで、残りの5体を1マスも動かさずとも経験値は簡単に手に入ってしまう。育てたいが弱いユニットにどう攻撃させるか・どう止めを刺させるか、というパク……トリビュート元のFEの面白みは無い。
一応、活躍したユニットはMVPとして入手経験値が増えるシステムがあるが、レベリングする場合はチームに1体+レンタル1体の2体で構成し、レンタルユニットを突撃させるだけで『何もしていないのにMVPが貰える』という、ほぼ機能していないシステムになっている。レベルを上げたいなら敵を殴るよりも敵を殴ってもらった方が早いというのは、SRPGとして重大な欠点のように思える。
ユニットの武器熟練度を育てるにはさすがに敵を殴る必要があるが、こちらも簡単なマップで反撃ゲーするだけで成長させられるだろう。
●負荷の問題
3D描画を行っているため、スマートフォンの場合はかなり負荷が掛かる。酷い時は、ACアダプタに接続した状態で行ってもバッテリーを消耗していくほど。バッテリーもかなり発熱するため、寿命が縮みやすくなるだろう。
見た目やエフェクトにこだわっているのは分かるが、発熱で不安にさせることなく動作できる程にはしてもらいたい所。
開発環境と実際の動作する環境で差が生まれていることに気がつかない、というのはよくある話である。
つまり2D化すればいいと思うんだ。俺ドット絵の方が好きだし。
-その他細かい問題点
○FE式で成長するステータスは運次第なため、クソみたいな成長をすると激レアユニットですらゴミと化してしまう。しかし現在、上がったレベルをリセットする手段が姫進化以外存在しない。姫進化の場合はステータスの底上げがされるというメリットがあるとはいえ、育成をし直すには同じキャラをガチャで引き直す以外の選択肢が今のところ無い。
○キャラクターのモーションがしょぼい。特に通常攻撃。逆にスキル攻撃等はかなり力が入ってる。
○戦闘の高速化はできるが、MAP上でのユニット移動速度等はそこまで早くなく、パク……参考元よりややテンポが悪い。アップデートにより、ユニットが停止する際はすぐに次のユニットに移るようになったが、それでもテンポはイマイチ。戦闘アニメ省略もない
○前述したが、飛行ユニットが地形効果を受ける。いや、散々パク……パロっておいてこのシステムは入れないのかよ!
○こだわりのエフェクトを見せたいがためにムービーの省略ができず、テンポが悪い時もあった。現在は修正済み。
-総評
プレイせずとも見るだけで分かるパク……インスパイア具合は、さすがに擁護し難いものになっている。メディアミックス型モバイルオンラインゲーム開発を手掛けるらしいが、「(これから)メディアミックスする」のではなく「(もう)メディアミックスした」ということなのかもしれない。某ゲームの言葉を借りるとすれば「独自の要素は無いのか……」「なくはないです。」という所だろう。
一応、ゲーム部分に問題は無く(不具合はあったりするが)、パク……もじったシステムの完成度の高さから、プレイ自体は楽しめるようになっている。変な話だが、覚醒以降新作品がないFEのパク……アレンジゲームの一つとしてみて遊ぶ、または無料で楽しめるSRPGとして遊ぶか、という感じで今のところは良いだろう。ソーシャル的要素も低いため、気が向いた時だけ遊ぶということができる点も良い。
以下項目別評価。
評価
・ゲーム性:3
なんだかなぁ~と思う所はあるが遊べない出来ではない。普通。ストーリーも空気。
・独創性:2-
独創的なシステムがあまりないので評価は低い。堂々とパク……参考にしてくるあたりは独創的な発想だが。
・グラフィック:4
デザインやエフェクトといったグラフィック要素は綺麗で拘りを見せている。スマホの発熱がヤバイぐらいになる程。
3Dモデルについてはスペック相応というかデフォルメされてるからとかそういう評価で。
・音楽:3
雰囲気は出てる
・やり込み:4
育成用ユニットを合成させてすぐLVMAX……というわけにはいかず、ユニットを1体1体ちまちまと強化していく必要がある。そういう作業が楽しい人にとっては良いやり込み感を味わえるだろう。毎回のレベルアップで一喜一憂できるのもいい感じ。
・見抜き:3-
普通だが扇情的なものはないって言ってるだろ!
・課金度:4
無料ガチャで引いたユニット(レア2→3)をカンストさせたが、イベクエ上級以外は余裕で通用するレベルなので、こだわらなければそこまで課金の必要はないと思われる。魔法石システムであることも大きい。
・運営:3
とりあえず3
・民度:不明
オンライン要素殆どないし
・ファントムオブキル 公式サイト(音量注意)
https://pk.fg-games.co.jp/

プレイ期間:気が向いた時
プレイ料金:基本無料
現在までの課金額:0円
運営&開発:Fuji&gumi Games
ジャンル:シミュレーションRPG
プラットフォーム:Android
プレイ人数:1人
クライアントサイズ:900MB程度
備考:なし
評価
ゲーム性:3
独創性:2-
グラフィック:4
音楽:3
やり込み:4
見抜き:3-
課金度:4
運営:3
民度:不明
ポイント
・あれ?このゲームシステムどこかで見たことがあるぞ!
・デザイン関係は拘ってるっぽい
・熱い(バッテリーが)
・超硬いペガサスナイトが敵軍を反撃で倒していくゲーム
-概要
ファントムオブキルは、Fuji&gumiGamesが「Fuji&gumiGames第一弾スマホアプリプロジェクト」として、2014年10月23日にAndroidにてリリースしたシミュレーションRPGである。Fuji&gumiGamesとは、株式会社gumiとフジ・メディア・ホールディングスが合併した会社である。(株)gumiはモバイルゲームの企画・開発・運営を行っており、フジメディアHDはフジサンケイグループ(つまりフジテレビ)の企業グループである。Fuji&gumiGamesはメディアミックス型モバイルオンラインゲーム開発を手掛ける企業として立ち上がった。
メディアミックスとは、簡単に言えば『人気の漫画』のキャラを使った『ソーシャルゲーム』が出るように、元々一つのメディアのみであった原作作品を、別のメディアにも展開を行っていくことを指す。ファントムオブキルの場合は、ゲームを原作として、いろいろな形でメディアミックスしていく、ということなのだろうか。実際にオープニングムービーはProduction.I.G.が担当しており、
『ファントムオブキル』の意味についてだが、phantomが幻影とかそんな感じで、名詞として使われるkillは獲物とかそういう意味があるっぽいので、『獲物の幻影』という感じだろうか。意味はよく分からないが。

-特徴・ゲームシステム
・ゲームの流れ
全体のゲームの流れとしては、スタミナを消費してクエストに出発し、それをクリアすると新たなクエストが出現する、という、基本の形になっている。ガチャでユニットを集め、クエストでレベルを上げたり武器を手に入れたりして、ユニットをより強くし、新たなクエストに挑戦していくことになる。

・シミュレーションRPG
システム面はいわゆるSRPGになっており、マス目で区切られたマップ上を、ユニットを1つずつ動かして操作し、敵を撃破していく、という形になっている。自軍が動くターンと敵軍が動くターンで分けられており、全員が動く(自軍の場合はターン終了を選択しても良い)ことで、相手の軍が動くターンになる。勝利条件を満たす(今の所、敵の全滅のみ?)とステージクリアとなり、敗北条件を満たす(今の所、自軍が全員撤退するのみ?)とゲームオーバーとなる。味方ユニットは撃破されても撤退するだけであり、某ゲームのように死亡してロストしたりはしない。


▲え?すごい某ゲームっぽい?まぁ落ち着いてくださいよ
・キャラクター
伝説や神話などをモチーフにしたキャラクターが登場する。設定的には「姫(キラープリンセス)」という名称があるがどうでもいい。ちなみに、全員女性であり、男性は今のところ存在しない。彼女らが使用する武器は、モチーフとなった名前から取られている。例えば、「アルテミス」というキャラクターは弓を使い、「ロンギヌス」というキャラクターは槍を使う。彼女らが装備する『武具』については後述。
それぞれの姫にはクラスとレアリティの組み合わせが複数存在しており、同一の姫でもクラスやレアリティが違うユニットが存在する。そして、さらにユニットごとに成長タイプがランダムで決定される。
また、キャラクターボイスも付いており、戦闘時や撤退時など、いろいろな状況で喋ってくれる。チームリーダーに設定すると、メニュー画面に登場するようになり、姫をタップすると喋ってくれる。

・武器や武具の合成・強化
武具は装備しなくても戦えるが、装備することで姫のステータスが上昇し、より有利に戦える。
ユニットが使用する武器は大きくわけて6種類あり、武具は剣・槍・斧・弓・銃・杖・盾の7つ存在する。特徴は以下の通り。
○剣…攻撃力は低いが命中率が高い。斧に強く槍に弱い。
○槍…剣と斧の中間の性能。剣に強く斧に弱い。
○斧…攻撃力は高いが命中率が低い。槍に強く剣に弱い。
○弓…射程が2マスであり、壁やユニットを越えて攻撃できる。目の前の敵を攻撃できず、近寄られると反撃できない。
○銃…射程が1~2マスである魔弾を使える。魔力系ステータスを参照する。攻撃時にHPを消費する。
○杖…自分のHPを消費して目の前の味方のHPを回復できる。相手のHPを吸収する専用魔弾も使えるが性能は低い。
○盾…防御・魔防が上がるが攻撃・魔力・命中が下がる。クラスに関係なく装備できる。
剣と槍と斧はじゃんけんのような三すくみの関係になっており、剣は斧に強く、斧は槍に強く、槍は剣に強いという関係がある。弓や魔弾には存在しない。
また、ユニットと同様にレアリティが存在し、レアリティが高い武具ほど強力な性能を持っているが、レアリティの高い武具を扱うためにはユニットの武器熟練度が相応のランクになっていないと装備できない。
武具は使用回数が付いている消耗品ではなく、レア度の高い武具も好きなだけ使うことができる。ただし、武具を装備したユニットが撃破されると、武具が破損することがあり、修理(確率)に失敗すると消失する。
2~5つの武具を1つの武具に合成することができる。合成結果はある程度の傾向はあるもののランダム。レアリティの高い武具は合成のみ入手できる。
他にも、使い込むことで武器自身が成長し、ステータスが上がるシステムがあったりする。
・ユニットの成長や強化
ユニットのレベルが上がると各種ステータスが上昇する。全てのステータスが成長するわけではなく、ステータスごとに成長する確率が決まっていて、そのステータスが伸びるかどうかはランダムになっている。そのため、全てのステータスが成長することもあれば、全てのステータスが成長しないこともある。祈ろう。ステータスの成長確率はユニットの姫タイプによって決定される。姫タイプの特徴は以下の通り。あくまで傾向であり、攻姫型だから防御が全く上がらない、ということではない。
○王姫型…バランス良く成長しやすい。運も伸びる。
○命姫型…HPが成長しやすい。
○攻姫型…攻撃が成長しやすい。
○魔姫型…魔力が成長しやすい。
○守姫型…防御・魔防が成長しやすい。
○匠姫型…技・早さが成長しやすい。
レベル上限はユニットのレアリティによって決まっており、それぞれレア1・2・3・4・5はLV20・30・40・50・60となっている。LV上限になったユニットは、クラスが下級職の場合に限り、素材ユニットを使用して上級職にクラスチェンジできる。クラスチェンジすると進化前のステータスの10%を引き継いでLVが1に戻る。
ステータスの強化はレベルアップ以外にも、姫を姫に合成することでもステータスの底上げができる『姫統合』というものがある。素材となるユニットごとに成長させられるステータスが決まっており、合成することで一定の確率でステータスが強化される。クラスごとに強化できる限界は設定されており、無限にステータスを強化できるわけではない。



▲え?レベルアップの様子も姫統合の様子もどこかで見たことあるって?またまた~w
-評価点
・声優を使っていること
筆者としてはあまり気にしない要素だし、昨今のソシャゲ業界では


・画像やエフェクトといったグラフィック的な面は良好
映像関係が得意っぽいようなフジメディアのお陰か、様々な部分のグラフィックがこだわりを見せている。
Production.I.G.が手掛けたオープニングムービーも秀逸。
・ゲーム自体は楽しい
後述に様々な問題点はあるが、ゲームとして楽しめる出来になっている。
・その他細かい評価点
○オートセーブである。むしろオートセーブあるため、不慮の通信エラーやフリーズに対策が出来ていると言える。
○ほったらかしにしなければならない時間がそこそこあるので、作業の合間合間でゲームを進めやすい。さらに、クリア後のクエストはユニットを自動で動かしてくれるオートプレイ機能もあり、放置ゲーがさらにやりやすくなっている。充電に注意。
-問題点
●パク……オマージュの問題
・てごわいシミュレーションこれくしょん
ゲームシステムの項を見て気づく人は居ると思うが、早い話、任天堂のファイアーエムブレム(以下FE)をパク……参考にしている。マス目になったMAP上でユニットを動かすというシステムはまだ分かるが、剣槍斧の3すくみはFE基本システムであるし、飛行ユニットが弓に弱いのもFEの基本システム。射程が1~2マスと使い勝手の良い魔法……いや魔弾でHPを消費するのは、FEシリーズの中でも武器が破損しない作品のFE外伝をパク……借用して作られていると思われる。レベルアップによる成長システムもFEではよく見られる光景。
また、姫統合のシステムや、メインメニューでキャラクターが喋ったりする仕様等、艦隊これくしょんをパク……彷彿とさせるようなシステムがぽつぽつと見られる。
まとめると、FEと艦これにソシャゲシステムをぶち込んだものと言って差し支えないだろう。このゲームの企画や開発には、どんな意図があるのかは不明。よくよく思えば、タイトル画面あたりの見た目や音楽といった雰囲気は、そこはかとなくFE覚醒っぽい。あくまでこれは筆者個人の憶測であり、それの域を出ない。任天堂法務部の動向にも注目したい所か。
●ゲームバランスの問題
・ゲームバランス(前提)
一度に出撃できるユニットは6体。自軍5体とレンタルユニットの1体のみで、自軍側は7体以上のユニットを用意することはできない。こちらのユニット数が圧倒的に足りず、戦線らしい戦線があまり作れない(MAPの構成次第だが)。よって後衛(弓・杖)が狙われやすく、これらのクラスは扱い辛い。つまり、相手を殴り殴られHPを回復させる必要がある攻撃の高いユニットよりも、小さくとも一方的にダメージを与えられる防御の高いユニットを揃えた方が攻略しやすいのだ。間接攻撃ができる近接武具もあり、弓の扱いづらさに拍車を掛けている。近接も間接もできる銃はまだ救いはあるが、HPを消費するリスクがやや辛い。
また、槍と斧には間接攻撃ができる武器がやや入手しやすく、デメリットも気にならない程度なので、遠距離職の不遇がさらに増している感がある。
以上が現在のゲームバランスの話である。操作できるユニットが増えれば戦略の幅も広がるとは思うのだが、メモリ処理の問題や1プレイに掛ける時間という面で、あまり大規模にするとマズイのだろう。しかし、戦略シミュレーションであるからには、大規模な軍勢を動かしてみたかった。
・姫タイプの当たり外れ
ここにまず絡んでくるのは「姫タイプ」の話。姫タイプは、ユニットの入手時にランダムで決定され、大まかなステータス成長方針が決定される要素。6つのタイプがあるのは前述したが、攻略という観点から見れば命姫型や守姫型が欲しい所。しかしそれを意図して決定できず、攻略に向いたユニットをガチャで引こうと思っても、姫タイプまで厳選する必要が出てくる。わざわざ姫タイプとかいう要素を入れず、クラスで成長率を決めれば良かったのでは。または、姫タイプを変更できるシステムを作る必要があるだろう。
また、現時点では剣・斧・槍・弓使いには「魔力」ステータスは必要なく、死にステータスになっている。しかし、そういうユニットにも「魔姫型」が設定されることがある。逆も同じであり、銃・杖使いには「攻撃」ステータスが必要ないのに「攻姫型」に設定されることがある。このユニットはレア以前にハズレであることは間違いなく、折角高レアリティのユニットを引いたのに死にステータスばかりが成長してしまうユニットになってしまう。ただし、その可能性があるだけで、必ずそういうステータスになるわけではない所が面白い所ではあるのだが、今のところボルトアクス(FEにある魔力依存の斧)のように、それを活かす要素はない。FEでもボルトアクスを活かしきれてないというのは置いといて。
・明らかな強ユニット
確かに、姫タイプがあるお陰で、ユニットの個性を強めることはできていると思う。しかしその影響で「地形を無視して飛行でき、移動力が高いフェニックスナイト(機動力重視で攻撃・防御はあまり高くない)」が「敵の攻撃や魔法をものともせず反撃で蹴散らしていく」という無双ゲー現象が起こる。レンタルユニット(プレイヤーがチーム1のリーダーにしているユニットがそれになる)の大半が飛行ユニット、次点で乗騎ユニットであることからも、乗騎系+防御系姫タイプのユニットが強キャラであることは間違いない。
また、不具合かどうかは分からないが、飛行ユニットが地形効果を受けるという点も、飛行ユニットの強さを後押ししている要素の一つでもあり、総じて、飛行系+防御姫>乗騎系+防御姫>鎧系全般>その他近接系>その他後衛系 といった環境になっている。HPを回復する必要が殆どなく、単独で戦えるユニットが基本的に強い。そういうゲームバランスになっていること自体は問題はないし、そういったユニットで編成しないと攻略が出来ないわけでもない。敵軍を少しずつ引き寄せて戦えるMAPなら問題はないが、敵軍が一斉に襲い掛かってくるMAPは、こちらの頭数が足りず戦線が作れないため、「防御系飛行ユニットを有利地形に飛ばして反撃ゲーにする」とかいう戦略もクソもない面白みのない立ち回りになってしまうのが問題である。
・経験値の問題
重ねて、経験値の入手が「戦闘後にチーム全体に振り分けられる」という点も問題ではある。無双ユニット1体に突撃させて蹴散らすだけで、残りの5体を1マスも動かさずとも経験値は簡単に手に入ってしまう。育てたいが弱いユニットにどう攻撃させるか・どう止めを刺させるか、というパク……トリビュート元のFEの面白みは無い。
一応、活躍したユニットはMVPとして入手経験値が増えるシステムがあるが、レベリングする場合はチームに1体+レンタル1体の2体で構成し、レンタルユニットを突撃させるだけで『何もしていないのにMVPが貰える』という、ほぼ機能していないシステムになっている。レベルを上げたいなら敵を殴るよりも敵を殴ってもらった方が早いというのは、SRPGとして重大な欠点のように思える。
ユニットの武器熟練度を育てるにはさすがに敵を殴る必要があるが、こちらも簡単なマップで反撃ゲーするだけで成長させられるだろう。
●負荷の問題
3D描画を行っているため、スマートフォンの場合はかなり負荷が掛かる。酷い時は、ACアダプタに接続した状態で行ってもバッテリーを消耗していくほど。バッテリーもかなり発熱するため、寿命が縮みやすくなるだろう。
見た目やエフェクトにこだわっているのは分かるが、発熱で不安にさせることなく動作できる程にはしてもらいたい所。
開発環境と実際の動作する環境で差が生まれていることに気がつかない、というのはよくある話である。
つまり2D化すればいいと思うんだ。俺ドット絵の方が好きだし。
-その他細かい問題点
○FE式で成長するステータスは運次第なため、クソみたいな成長をすると激レアユニットですらゴミと化してしまう。しかし現在、上がったレベルをリセットする手段が姫進化以外存在しない。姫進化の場合はステータスの底上げがされるというメリットがあるとはいえ、育成をし直すには同じキャラをガチャで引き直す以外の選択肢が今のところ無い。
○キャラクターのモーションがしょぼい。特に通常攻撃。逆にスキル攻撃等はかなり力が入ってる。
○戦闘の高速化はできるが、MAP上でのユニット移動速度等はそこまで早くなく、パク……参考元よりややテンポが悪い。アップデートにより、ユニットが停止する際はすぐに次のユニットに移るようになったが、それでもテンポはイマイチ。戦闘アニメ省略もない
○前述したが、飛行ユニットが地形効果を受ける。いや、散々パク……パロっておいてこのシステムは入れないのかよ!
○こだわりのエフェクトを見せたいがためにムービーの省略ができず、テンポが悪い時もあった。現在は修正済み。
-総評
プレイせずとも見るだけで分かるパク……インスパイア具合は、さすがに擁護し難いものになっている。メディアミックス型モバイルオンラインゲーム開発を手掛けるらしいが、「(これから)メディアミックスする」のではなく「(もう)メディアミックスした」ということなのかもしれない。某ゲームの言葉を借りるとすれば「独自の要素は無いのか……」「なくはないです。」という所だろう。
一応、ゲーム部分に問題は無く(不具合はあったりするが)、パク……もじったシステムの完成度の高さから、プレイ自体は楽しめるようになっている。変な話だが、覚醒以降新作品がないFEのパク……アレンジゲームの一つとしてみて遊ぶ、または無料で楽しめるSRPGとして遊ぶか、という感じで今のところは良いだろう。ソーシャル的要素も低いため、気が向いた時だけ遊ぶということができる点も良い。
以下項目別評価。
評価
・ゲーム性:3
なんだかなぁ~と思う所はあるが遊べない出来ではない。普通。ストーリーも空気。
・独創性:2-
独創的なシステムがあまりないので評価は低い。堂々とパク……参考にしてくるあたりは独創的な発想だが。
・グラフィック:4
デザインやエフェクトといったグラフィック要素は綺麗で拘りを見せている。スマホの発熱がヤバイぐらいになる程。
3Dモデルについてはスペック相応というかデフォルメされてるからとかそういう評価で。
・音楽:3
雰囲気は出てる
・やり込み:4
育成用ユニットを合成させてすぐLVMAX……というわけにはいかず、ユニットを1体1体ちまちまと強化していく必要がある。そういう作業が楽しい人にとっては良いやり込み感を味わえるだろう。毎回のレベルアップで一喜一憂できるのもいい感じ。
・見抜き:3-
普通だが扇情的なものはないって言ってるだろ!
・課金度:4
無料ガチャで引いたユニット(レア2→3)をカンストさせたが、イベクエ上級以外は余裕で通用するレベルなので、こだわらなければそこまで課金の必要はないと思われる。魔法石システムであることも大きい。
・運営:3
とりあえず3
・民度:不明
オンライン要素殆どないし
・ファントムオブキル 公式サイト(音量注意)
https://pk.fg-games.co.jp/
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