【TPS+RPG】 HOUNDS 【トライアルテスト】
2014.02.12.Wed.14:06
HOUNDS(はうんず、略称:無し)

プレイ期間:1~2時間程度
プレイ料金:基本無料
現在までの課金額:0円
運営:DMM
開発:CJ GameLab(韓国)
ジャンル:RPS(ロールプレイングシューティング)
プラットフォーム:PC
プレイ人数:COOP時1~6人、PvP時2~16人
起動方式:公式サイト→ランチャー
ゲームガード:xigncode
クライアントサイズ:16GB
備考:HDDの容量に注意
評価
ゲーム性:3
独創性:3
グラフィック:3
音楽:2
やり込み:不明
見抜き:2
課金度:不明
必要スペック(軽さ):3
運営:2
民度:不明
ポイント
・TPS+RPG=RPS。
・DMMオンラインゲーム初のクライアントDL型ゲーム
・1日3回だけ無料で協力プレイ部屋が立てられちまうんだ!
・ロールプレイング(の意味を考える)ゲーム
・対人戦は柔道
-概要
韓国のCJ GameLabが開発し、DMM.comが運営するオンラインゲームである。
運営のDMMは通販屋のイメージが強く、オンラインゲームを運営しているとは想像が付き難いと思われるが、艦隊これくしょんを運営している所――といえば理解していただけるかと思われる。しかしながら、艦これ以外のオンラインゲームについては実績はあまりない上に、DMMはどちらかといえばR-18の方が有名だろう。googleでもそっちが上に出るし。
CJ GameLabはCJ E&Mの子会社の一つである。CJ E&Mという名前は日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、「ネットマーブル」なら知っているという方も多いのではないだろうか。CJ GameLab自体はあまり経歴のある開発ではないが。
DMMが運営する艦これは全国でも有名なブラウザゲームとなった(売り上げが出ているかどうかは不明だが)。DMMは、『今までブラウザ上でプレイできるゲーム』しか運営を行ってこなかったが、艦これのヒットを機に本格的なオンラインゲーム部門の足掛かりとして「HOUNDS」のサービスを開始することにした……という雰囲気が臭わないでもない。
-特徴
・新ジャンル「RPS(ロールプレイングシューティング)」
RPSとは、TPSとRPGを組み合わせたまったく新しいゲームジャンルである。早い話が、TPSにRPGのような成長要素を取り入れているということである。プレイを重ねることでキャラクターのレベルが上がったり、新しいスキルを覚えたり、また任務をこなしてステータスの良い装備品を集めていく……といったことが、TPSとしてプレイできる、ということである。
どうでもいいことだが、ここで取り上げられているRPGの意はコンピュータRPGのことである。ロールプレイングにシューティングをくっつけてRPSとなっているが、言葉の意味からすると「なんのこっちゃ」と思わざるを得ない。が、細かい突っ込みはここでは割愛させていただく。ちなみに、RPGとはあるが、中身はMMO(Massively Multiplayer Online)RPGではなくMO(Multiplayer Online)RPGに近いため、大きく勘違いをしないように。

▲キャラは2人まで無料、最大5人まで作れるようだ。
・その他細かい特徴
○PvEの多人数COOPプレイ(協力プレイ)を主軸にしたゲームである。他TPSやFPSではメインであるPvPの他に『協力モード』として、おまけのような位置で存在していることが多いが、このHOUNDSは協力プレイをメインに据えているようだ。PvPも可能だが、PVや他の情報を見る感じでは、あくまでもメインはPvEであるように思えた。逆に言ってしまえば、coopゲー+TPSにPvPがくっついているというのはあまり見られないのではないだろうか。
-ゲームシステム
・基礎システム
ゲームの基礎システムはキャラクター右後方カメラ(Qキーにより反転可能)からのTPSである。サードパーソン・シューティング、ということで、WASD移動・照準・射撃・リロードなどといった基本システムは概ねテンプレ通りであるが、それに加えてRPGを意識した様々なシステムが導入されている。アクション性はそこまで高くなく、Warframeのようにジャンプや壁走りといったことはできない。
また、「ダウン」の概念が導入されており、PvE・PvPどちらでも機能している。HPが0になるとダウン状態になり、味方に起き上がらせてもらえないと一定時間後に死亡する。PvPではキー入力でトドメを刺すことが出来たり、投げで即死させることも可能。

▲柵を飛び越すモーションは用意されている。
・クラスの存在、スキルの存在
キャラメイキング時に、自分のクラス(兵種)を選択する。一般的なシューティングゲームであれば、兵種は戦闘前や戦闘中に選択し、使用できる武器が変わったりするだけであるが、HOUNDSでは、クラスによってスキルの違いがあるのが大きな特徴だ。他のクラスが得意とする武器を装備することは可能で、またクラス間のステータス差が存在するのかどうかは不明である。
スキルは、攻撃力が上昇したり武器のリロード時間が短縮されたりするパッシブスキルや、戦闘中に防御力を上昇させたりHPを回復したりできるアクティブスキルなどが存在する。これらはクラスによって取得できるスキルが変わり、例えば狙撃が得意な兵種の『偵察』であれば、スナイパーライフルの手ブレを一定時間抑えるアクティブスキルを使用できる。

・レベルの存在
RPGよろしく、レベルの概念が存在する。ただし、レベリングを重ねることでステータスが変化するということはないようで、今のところはあくまでスキルを習得するための数値のようなものでしかない。
他にも階級の概念はあるが、こちらはPvPのみで増加する。より強い武器は階級を上げなければ装備できないらしいので、こちらも上げる必要があるだろう。
・PvEモード
このゲームのメインである、協力プレイモードである。現在トライアルテスト中にプレイできるCoopミッションは、KillingFloorのようなウェーブ防衛型ではなくL4Dのようなオブジェクト進行型のゲームタイプのみである。ストーリー仕立ての流れとなっており、ミッション前後のストーリーが繋がっているのが特徴だ。
……が、メインモードではあるが、部屋を立てるためには参加券が1枚必要になる。ログインボーナスとして1日3枚まで配布され、ミッションの進行やイベントなどで入手が可能になるらしい。これについては問題点の項で詳述。

▲任務を進行していくオブジェクティブタイプの協力モードだ。
・PvPモード
対戦プレイモードである。デスマッチや爆破などのゲームモードについてはは、他シューティングそのままであるため詳細は省く。また、味方が敵の位置を視認していると、他の味方にも輪郭が視認できるようになるシステムがある。
兵種ごとに得意武器やスキルが分かれている関係上、対人戦で強いスキルや兵種があるのだろうと考えられる。

-問題点
・日本版独自仕様である参加券の存在とそのシステム周り全般
ログインボーナスとして、1日3枚だけ参加券が貰える。これがあると、協力プレイの部屋を立てることができる。他プレイヤーの部屋で協力プレイを行えるため、固定のフレンドが6人居れば、なんと1日18回も協力プレイが無料でできちまうんだ!!……このゲームはシューティングであり、しかもメインコンテンツである協力プレイの『基本的な』部分に制限を掛ける意図が全く分からない。確かに、RPGでは廃プレイヤーの突出した進行を防いだり、ゲーム内の経済を守るために、一日で入手できる経験値量・資金量を制限したりすることはあるし、報酬が良いミッション等の制限を掛けたりすることはよくある話だ。しかしながら、再度記載するが、メインコンテンツの『基本的な』部分に制限をかけているのである。疲労度を回復できるアイテムが課金で売られたりすることもあるが、特にこの参加券は課金で売る気が見え見えであり、不評を買っている。ソーシャルゲームか何かと勘違いしているのだろうか。世界を救う任務には1日3回しか出撃できないというのは、実に笑えない笑い話である。
また、それに追随するシステム周りも疑問が残るものが多い。以下にそれを列挙する。
○部屋を立てた時点で1枚消費するため、部屋を作った後退出したりクライアントが落ちたりすると、出撃してもないのに消費した参加券は戻ってこない。そういうシステムにするなら名前を「参加券」ではなく「部屋作成券」とでも変えておくべき。
○ログインボーナスはアカウント毎に管理されており、同一アカウント内の違うキャラクターでログインボーナスは1つずつ受け取るといったことはできない。しかしながら参加券はキャラクター管理であるため、アカウントで1日3枚までしか貰うことは出来ない。ちなみに、DMMは同一人物による複数アカウントの所持を規約で禁止している。
○難易度が上がると消費する参加券が増える。この難易度は、毎日ログインして参加券を貯めないと、無料でできねえんだ!
しかしながら、悪い点ばかりではない。
●他プレイヤーに譲渡が可能。最初の任務をこなすと1枚参加券が貰えるので……
●売却が可能。割と高く売れるため、金策としては中々良い時間効率になる。
これらは日本独自仕様になっており、その仕様を取り込む際にこのような不具合が発生したのではないか、と考えられる。現在、サブキャラを利用して無限に参加券を入手することが可能になっているため、キャラクリマラソンが絶えない状況だ。
こういった制限要項を撤廃した状態でクローズドβを実施し、次にオープンβで制限要項を導入して、少しずつテストを実施していけば、少しは変わったかもしれないが……運営は現在ワイプ(初期化)を行わないことを公言しているため、現在のテスト版から大きく変わることは考えづらい。せめて最低難易度は参加券の消費が無いだとか、参加券を使わなかった場合は報酬が減る(つまりシステムは疲労度と同一)といった修正をしていただきたいところである。
ただし、これは日本独自仕様であるため、テスト終了時にそれを取り除いて『神運営きた!』という効果を狙っているのではないか、という仮説が一部で存在する。とにもかくにも大きな問題のシステムの一つであることは間違いないだろう。

▲連続してログインすると良いボーナスが貰えるようだ。こういうところもソシャゲっぽいといえば、「っぽい」か?
・おざなりなRPG要素
RPGと言えば、レベルを上げてより強い敵に挑んだり、フィールドを探索してアイテムを集めたり、インスタンスダンジョンに潜って装備を集めたり、素材を集めて強い装備を作ったり……というイメージだ。しかしながら、レベルを上げてもステータスは変わらず、ミッション中のアイテムは殆ど拾えず(小銭程度)、敵を倒しても装備が手に入ることはない。このHOUNDSでRPGらしい要素と言える部分は、強いて言ってスキル制度・武器製造や武器強化程度である。そのスキル制度も、特定の武器を使い込んだから解禁、といったこともなく単純にレベル依存で解禁だったりとおざなりな部分が多い。ロールプレイングシューティングなどどドヤ顔でジャンルを紹介するよりも先に、ロールプレイングの部分をしっかり作りこんでいただきたいものである。
・対人戦は銃で殺しきれず投げゲー気味
Fキーを押すことで、スタミナを消費して単体の敵を掴み即死させる『投げ技』を発動することができる。PvEでも有効だが、単体にしか使えず、スーパーアーマーの敵相手(中ボス等)には効かず、投げている間に敵に囲まれたりするため、使い勝手はよくない(バイオハザードシリーズでは周りの敵も吹き飛ばすなどができるのだが)。
この技の真価はPvPで発揮し、PvPでも相手を即死させることができる。それだけを見れば、単純にコールオブデューティーシリーズなどの「格闘」と同じかと思いがちだが、PvPにおいての兵器によるダメージはあまり大きくなく、キルに至ることはあまりない(セミオートスナイパーライフルを胴に5~6発撃ち込んでキルできるぐらい)。そのため、走って近づいて投げる、というのがPvPにおいての基本戦術になっている。敵からの弾丸を防く『シールドピストル』を得意兵装とし、『肉体強化』という一定時間つかみ攻撃を無効化できるアクティブスキルを持つ兵種『突撃』は、PvPにおいて最強と言われている。
ただし、攻撃を受けている時はつかみ攻撃を発動できない、スタミナが切れると投げることができないというデメリットがあるため、無闇に乱打してもスタミナ切れで逆に投げられ、盾を構え単純に正面から投げに掛かって足元を撃たれ防がれる上に、硬直中に無敵が切れるため、他のプレイヤーを投げた硬直にこちらの投げを重ねれば少なくとも1:1交換は成立する。銃の威力が低いため投げゲーと化しているだけではあるが。また、レベルでステータスが上下しない関係上、現在はHPや防御関係のステータス面においてはバランスは取れている。
余談だが、Eでナイフを当てて仰け反らせてからFで投げるコンボがある。スタミナ残量に注意。

▲投げられるとダウン状態にならず即死するため、救助に向かうことは出来ない。
・その他細かい問題点
○戦闘から戻ってくると、元いたチャンネルとは別のチャンネルに飛ばされる。
○敵ゾンビが一部の壁をすり抜けてやってくる
○敵ゾンビのリーチが若干長い。ラグの影響も考えられるが、PvEのエネミーはクライアント依存が一般的な気がしないでもない。
○どの兵種でも全ての武器を使用できるのだが、一部の武器種の性能が残念すぎて、それを得意とする兵種なのに全く装備されないことがある。それが最も顕著なのは『偵察』で、対物ライフル(ボルトアクション式で連射が効かない)のスコープの手ブレ(というより照準のふらつき)が酷く、ほとんど使い物にならない(ボス相手にヘッドショットを量産できるなら使ってもいいよ、といったレベル)。他にはショットガンも弱いらしい。
○一部の声優が棒読み。
○クライアントサイズがバカでかい。
○キーコンフィグができない。
○街に居ると落とされることが多々あるが、F3で行けるマイルームは軽いのでオススメ。
-評価点
・PvEは予想以上に遊べる出来だった
それ以上でもそれ以下でもない。参加券システムさえ無ければ。難易度ノーマルと難易度チャレンジの差が酷いが、高難易度ミッションを攻略する……という楽しみはある。間に難易度を作っても良い気はするが。
-総評
トライアルテスト版をプレイした。PvEはそこそこ楽しめたが、参加券という謎のシステムでメインコンテンツのプレイ回数を制限する意味がよく分からない、というのが感想であった。これには不評のようで、公式Twitter曰く「最重要項目として検討を行っている」そうだ。その制限システムを撤廃するのか、または疲労度システムに変えるのか、そこに課金を入れるか入れないかで、大きな分かれ道になるはずだ。
次に、ロールプレイングを謳っている割にはRPGの要素がとても薄い。現状では、オブジェクティブcoopモードをプレイして、「あ、なんかレベルとかいう数値増えたね」程度にしか感じられず、RPGをプレイしている感覚はほぼ無かった。トライアルテストの現状では、このゲームにRPG的な何かを期待してプレイしてはいけない。
ゲームの着眼点は悪くなく、実際にプレイしても割と面白いとは思ったのだが、足を引っ張るシステムがあったり作り込みが荒かったりと悪い要素がとても目につく。トライアルテスト版ではあるが、システムを大きく変えていくことは難しいだろうと予想できているので、正式サービスもあまり期待できない、というのが現状だろうか。遊ぶのであれば、人が残っているうちに遊んでしまおう。
以下項目別評価。
ゲーム性:3
実質2.5。「PvEは意外と楽しめる」というのが一般の感想か。参加券システムを導入してプレイ回数を制限する意味はよく分からないが、それさえ改善されればPvEに居付く人間は割と多くなるかもしれない。PvPは投げゲーと化しているが、ある意味では面白いか。
独創性:3
PvEの観点から見ると、ライバルの数自体は少ないが、無料+coop+TPSならばwarframe、単純にオブジェクティブcoopをしたいだけならL4Dと並ぶのは強敵揃いである。また、PvPの観点から見れば、他にもたくさんのTPS・FPSゲームは存在する。TPS+RPGというシステム自体の着眼点は悪くないのだが、システムが荒削りだったり、肝心のRPG自体の要素が薄かったりと課題は多い。結局のところはMOTPSをプレイしているのと変化はないため、さらに作り込みを深めるか独自の要素を入れるかしないと、ただの他ゲーの劣化・ガッカリゲーと化すのは間違いないだろう。
グラフィック:3
特に優れているわけではないが、特に劣っているわけでもない。ただし、ゲーム自体はそれほどスペックを必要としないことを考えれば、それなりにグラフィック面は頑張っていると言えるのではないだろうか。
音楽:2
マイルームの音楽はずっと聞いていても飽きない。それだけ。
やり込み:不明
トライアルテスト期間なため不明。
見抜き:2
洋ゲーっぽいけどいけないことはない
課金度:不明
トライアルテスト期間なため不明
必要スペック(軽さ):3
予想していたより軽かった。AVA程度だろう。
運営:2
これといってまだ大きな行動を起こしているわけではないが、前述の参加券システム等から「DMMはソシャゲとネトゲをごっちゃにしているのでは?」と思われている。辛い話だが、HOUNDSをどう運営していくかでDMMのオンラインゲーム部門の評価は左右されるといっても過言ではないだろう。
民度:3
DMMのアカウントは18歳未満は作れないはずなんだけどなぁ……
-HOUNDS 公式
http://hounds.dmm.com/

プレイ期間:1~2時間程度
プレイ料金:基本無料
現在までの課金額:0円
運営:DMM
開発:CJ GameLab(韓国)
ジャンル:RPS(ロールプレイングシューティング)
プラットフォーム:PC
プレイ人数:COOP時1~6人、PvP時2~16人
起動方式:公式サイト→ランチャー
ゲームガード:xigncode
クライアントサイズ:16GB
備考:HDDの容量に注意
評価
ゲーム性:3
独創性:3
グラフィック:3
音楽:2
やり込み:不明
見抜き:2
課金度:不明
必要スペック(軽さ):3
運営:2
民度:不明
ポイント
・TPS+RPG=RPS。
・DMMオンラインゲーム初のクライアントDL型ゲーム
・1日3回だけ無料で協力プレイ部屋が立てられちまうんだ!
・ロールプレイング(の意味を考える)ゲーム
・対人戦は柔道
-概要
韓国のCJ GameLabが開発し、DMM.comが運営するオンラインゲームである。
運営のDMMは通販屋のイメージが強く、オンラインゲームを運営しているとは想像が付き難いと思われるが、艦隊これくしょんを運営している所――といえば理解していただけるかと思われる。しかしながら、艦これ以外のオンラインゲームについては実績はあまりない上に、DMMはどちらかといえばR-18の方が有名だろう。googleでもそっちが上に出るし。
CJ GameLabはCJ E&Mの子会社の一つである。CJ E&Mという名前は日本ではあまり馴染みがないかもしれないが、「ネットマーブル」なら知っているという方も多いのではないだろうか。CJ GameLab自体はあまり経歴のある開発ではないが。
DMMが運営する艦これは全国でも有名なブラウザゲームとなった(売り上げが出ているかどうかは不明だが)。DMMは、『今までブラウザ上でプレイできるゲーム』しか運営を行ってこなかったが、艦これのヒットを機に本格的なオンラインゲーム部門の足掛かりとして「HOUNDS」のサービスを開始することにした……という雰囲気が臭わないでもない。
-特徴
・新ジャンル「RPS(ロールプレイングシューティング)」
RPSとは、TPSとRPGを組み合わせたまったく新しいゲームジャンルである。早い話が、TPSにRPGのような成長要素を取り入れているということである。プレイを重ねることでキャラクターのレベルが上がったり、新しいスキルを覚えたり、また任務をこなしてステータスの良い装備品を集めていく……といったことが、TPSとしてプレイできる、ということである。
どうでもいいことだが、ここで取り上げられているRPGの意はコンピュータRPGのことである。ロールプレイングにシューティングをくっつけてRPSとなっているが、言葉の意味からすると「なんのこっちゃ」と思わざるを得ない。が、細かい突っ込みはここでは割愛させていただく。ちなみに、RPGとはあるが、中身はMMO(Massively Multiplayer Online)RPGではなくMO(Multiplayer Online)RPGに近いため、大きく勘違いをしないように。

▲キャラは2人まで無料、最大5人まで作れるようだ。
・その他細かい特徴
○PvEの多人数COOPプレイ(協力プレイ)を主軸にしたゲームである。他TPSやFPSではメインであるPvPの他に『協力モード』として、おまけのような位置で存在していることが多いが、このHOUNDSは協力プレイをメインに据えているようだ。PvPも可能だが、PVや他の情報を見る感じでは、あくまでもメインはPvEであるように思えた。逆に言ってしまえば、coopゲー+TPSにPvPがくっついているというのはあまり見られないのではないだろうか。
-ゲームシステム
・基礎システム
ゲームの基礎システムはキャラクター右後方カメラ(Qキーにより反転可能)からのTPSである。サードパーソン・シューティング、ということで、WASD移動・照準・射撃・リロードなどといった基本システムは概ねテンプレ通りであるが、それに加えてRPGを意識した様々なシステムが導入されている。アクション性はそこまで高くなく、Warframeのようにジャンプや壁走りといったことはできない。
また、「ダウン」の概念が導入されており、PvE・PvPどちらでも機能している。HPが0になるとダウン状態になり、味方に起き上がらせてもらえないと一定時間後に死亡する。PvPではキー入力でトドメを刺すことが出来たり、投げで即死させることも可能。

▲柵を飛び越すモーションは用意されている。
・クラスの存在、スキルの存在
キャラメイキング時に、自分のクラス(兵種)を選択する。一般的なシューティングゲームであれば、兵種は戦闘前や戦闘中に選択し、使用できる武器が変わったりするだけであるが、HOUNDSでは、クラスによってスキルの違いがあるのが大きな特徴だ。他のクラスが得意とする武器を装備することは可能で、またクラス間のステータス差が存在するのかどうかは不明である。
スキルは、攻撃力が上昇したり武器のリロード時間が短縮されたりするパッシブスキルや、戦闘中に防御力を上昇させたりHPを回復したりできるアクティブスキルなどが存在する。これらはクラスによって取得できるスキルが変わり、例えば狙撃が得意な兵種の『偵察』であれば、スナイパーライフルの手ブレを一定時間抑えるアクティブスキルを使用できる。

・レベルの存在
RPGよろしく、レベルの概念が存在する。ただし、レベリングを重ねることでステータスが変化するということはないようで、今のところはあくまでスキルを習得するための数値のようなものでしかない。
他にも階級の概念はあるが、こちらはPvPのみで増加する。より強い武器は階級を上げなければ装備できないらしいので、こちらも上げる必要があるだろう。
・PvEモード
このゲームのメインである、協力プレイモードである。現在トライアルテスト中にプレイできるCoopミッションは、KillingFloorのようなウェーブ防衛型ではなくL4Dのようなオブジェクト進行型のゲームタイプのみである。ストーリー仕立ての流れとなっており、ミッション前後のストーリーが繋がっているのが特徴だ。
……が、メインモードではあるが、部屋を立てるためには参加券が1枚必要になる。ログインボーナスとして1日3枚まで配布され、ミッションの進行やイベントなどで入手が可能になるらしい。これについては問題点の項で詳述。


▲任務を進行していくオブジェクティブタイプの協力モードだ。
・PvPモード
対戦プレイモードである。デスマッチや爆破などのゲームモードについてはは、他シューティングそのままであるため詳細は省く。また、味方が敵の位置を視認していると、他の味方にも輪郭が視認できるようになるシステムがある。
兵種ごとに得意武器やスキルが分かれている関係上、対人戦で強いスキルや兵種があるのだろうと考えられる。

-問題点
・日本版独自仕様である参加券の存在とそのシステム周り全般
ログインボーナスとして、1日3枚だけ参加券が貰える。これがあると、協力プレイの部屋を立てることができる。他プレイヤーの部屋で協力プレイを行えるため、固定のフレンドが6人居れば、なんと1日18回も協力プレイが無料でできちまうんだ!!……このゲームはシューティングであり、しかもメインコンテンツである協力プレイの『基本的な』部分に制限を掛ける意図が全く分からない。確かに、RPGでは廃プレイヤーの突出した進行を防いだり、ゲーム内の経済を守るために、一日で入手できる経験値量・資金量を制限したりすることはあるし、報酬が良いミッション等の制限を掛けたりすることはよくある話だ。しかしながら、再度記載するが、メインコンテンツの『基本的な』部分に制限をかけているのである。疲労度を回復できるアイテムが課金で売られたりすることもあるが、特にこの参加券は課金で売る気が見え見えであり、不評を買っている。ソーシャルゲームか何かと勘違いしているのだろうか。世界を救う任務には1日3回しか出撃できないというのは、実に笑えない笑い話である。
また、それに追随するシステム周りも疑問が残るものが多い。以下にそれを列挙する。
○部屋を立てた時点で1枚消費するため、部屋を作った後退出したりクライアントが落ちたりすると、出撃してもないのに消費した参加券は戻ってこない。そういうシステムにするなら名前を「参加券」ではなく「部屋作成券」とでも変えておくべき。
○ログインボーナスはアカウント毎に管理されており、同一アカウント内の違うキャラクターでログインボーナスは1つずつ受け取るといったことはできない。しかしながら参加券はキャラクター管理であるため、アカウントで1日3枚までしか貰うことは出来ない。ちなみに、DMMは同一人物による複数アカウントの所持を規約で禁止している。
○難易度が上がると消費する参加券が増える。この難易度は、毎日ログインして参加券を貯めないと、無料でできねえんだ!
しかしながら、悪い点ばかりではない。
●他プレイヤーに譲渡が可能。最初の任務をこなすと1枚参加券が貰えるので……
●売却が可能。割と高く売れるため、金策としては中々良い時間効率になる。
これらは日本独自仕様になっており、その仕様を取り込む際にこのような不具合が発生したのではないか、と考えられる。現在、サブキャラを利用して無限に参加券を入手することが可能になっているため、キャラクリマラソンが絶えない状況だ。
こういった制限要項を撤廃した状態でクローズドβを実施し、次にオープンβで制限要項を導入して、少しずつテストを実施していけば、少しは変わったかもしれないが……運営は現在ワイプ(初期化)を行わないことを公言しているため、現在のテスト版から大きく変わることは考えづらい。せめて最低難易度は参加券の消費が無いだとか、参加券を使わなかった場合は報酬が減る(つまりシステムは疲労度と同一)といった修正をしていただきたいところである。
ただし、これは日本独自仕様であるため、テスト終了時にそれを取り除いて『神運営きた!』という効果を狙っているのではないか、という仮説が一部で存在する。とにもかくにも大きな問題のシステムの一つであることは間違いないだろう。

▲連続してログインすると良いボーナスが貰えるようだ。こういうところもソシャゲっぽいといえば、「っぽい」か?
・おざなりなRPG要素
RPGと言えば、レベルを上げてより強い敵に挑んだり、フィールドを探索してアイテムを集めたり、インスタンスダンジョンに潜って装備を集めたり、素材を集めて強い装備を作ったり……というイメージだ。しかしながら、レベルを上げてもステータスは変わらず、ミッション中のアイテムは殆ど拾えず(小銭程度)、敵を倒しても装備が手に入ることはない。このHOUNDSでRPGらしい要素と言える部分は、強いて言ってスキル制度・武器製造や武器強化程度である。そのスキル制度も、特定の武器を使い込んだから解禁、といったこともなく単純にレベル依存で解禁だったりとおざなりな部分が多い。ロールプレイングシューティングなどどドヤ顔でジャンルを紹介するよりも先に、ロールプレイングの部分をしっかり作りこんでいただきたいものである。
・対人戦は銃で殺しきれず投げゲー気味
Fキーを押すことで、スタミナを消費して単体の敵を掴み即死させる『投げ技』を発動することができる。PvEでも有効だが、単体にしか使えず、スーパーアーマーの敵相手(中ボス等)には効かず、投げている間に敵に囲まれたりするため、使い勝手はよくない(バイオハザードシリーズでは周りの敵も吹き飛ばすなどができるのだが)。
この技の真価はPvPで発揮し、PvPでも相手を即死させることができる。それだけを見れば、単純にコールオブデューティーシリーズなどの「格闘」と同じかと思いがちだが、PvPにおいての兵器によるダメージはあまり大きくなく、キルに至ることはあまりない(セミオートスナイパーライフルを胴に5~6発撃ち込んでキルできるぐらい)。そのため、走って近づいて投げる、というのがPvPにおいての基本戦術になっている。敵からの弾丸を防く『シールドピストル』を得意兵装とし、『肉体強化』という一定時間つかみ攻撃を無効化できるアクティブスキルを持つ兵種『突撃』は、PvPにおいて最強と言われている。
ただし、攻撃を受けている時はつかみ攻撃を発動できない、スタミナが切れると投げることができないというデメリットがあるため、無闇に乱打してもスタミナ切れで逆に投げられ、盾を構え単純に正面から投げに掛かって足元を撃たれ防がれる上に、硬直中に無敵が切れるため、他のプレイヤーを投げた硬直にこちらの投げを重ねれば少なくとも1:1交換は成立する。銃の威力が低いため投げゲーと化しているだけではあるが。また、レベルでステータスが上下しない関係上、現在はHPや防御関係のステータス面においてはバランスは取れている。
余談だが、Eでナイフを当てて仰け反らせてからFで投げるコンボがある。スタミナ残量に注意。


▲投げられるとダウン状態にならず即死するため、救助に向かうことは出来ない。
・その他細かい問題点
○戦闘から戻ってくると、元いたチャンネルとは別のチャンネルに飛ばされる。
○敵ゾンビが一部の壁をすり抜けてやってくる
○敵ゾンビのリーチが若干長い。ラグの影響も考えられるが、PvEのエネミーはクライアント依存が一般的な気がしないでもない。
○どの兵種でも全ての武器を使用できるのだが、一部の武器種の性能が残念すぎて、それを得意とする兵種なのに全く装備されないことがある。それが最も顕著なのは『偵察』で、対物ライフル(ボルトアクション式で連射が効かない)のスコープの手ブレ(というより照準のふらつき)が酷く、ほとんど使い物にならない(ボス相手にヘッドショットを量産できるなら使ってもいいよ、といったレベル)。他にはショットガンも弱いらしい。
○一部の声優が棒読み。
○クライアントサイズがバカでかい。
○キーコンフィグができない。
○街に居ると落とされることが多々あるが、F3で行けるマイルームは軽いのでオススメ。
-評価点
・PvEは予想以上に遊べる出来だった
それ以上でもそれ以下でもない。参加券システムさえ無ければ。難易度ノーマルと難易度チャレンジの差が酷いが、高難易度ミッションを攻略する……という楽しみはある。間に難易度を作っても良い気はするが。
-総評
トライアルテスト版をプレイした。PvEはそこそこ楽しめたが、参加券という謎のシステムでメインコンテンツのプレイ回数を制限する意味がよく分からない、というのが感想であった。これには不評のようで、公式Twitter曰く「最重要項目として検討を行っている」そうだ。その制限システムを撤廃するのか、または疲労度システムに変えるのか、そこに課金を入れるか入れないかで、大きな分かれ道になるはずだ。
次に、ロールプレイングを謳っている割にはRPGの要素がとても薄い。現状では、オブジェクティブcoopモードをプレイして、「あ、なんかレベルとかいう数値増えたね」程度にしか感じられず、RPGをプレイしている感覚はほぼ無かった。トライアルテストの現状では、このゲームにRPG的な何かを期待してプレイしてはいけない。
ゲームの着眼点は悪くなく、実際にプレイしても割と面白いとは思ったのだが、足を引っ張るシステムがあったり作り込みが荒かったりと悪い要素がとても目につく。トライアルテスト版ではあるが、システムを大きく変えていくことは難しいだろうと予想できているので、正式サービスもあまり期待できない、というのが現状だろうか。遊ぶのであれば、人が残っているうちに遊んでしまおう。
以下項目別評価。
ゲーム性:3
実質2.5。「PvEは意外と楽しめる」というのが一般の感想か。参加券システムを導入してプレイ回数を制限する意味はよく分からないが、それさえ改善されればPvEに居付く人間は割と多くなるかもしれない。PvPは投げゲーと化しているが、ある意味では面白いか。
独創性:3
PvEの観点から見ると、ライバルの数自体は少ないが、無料+coop+TPSならばwarframe、単純にオブジェクティブcoopをしたいだけならL4Dと並ぶのは強敵揃いである。また、PvPの観点から見れば、他にもたくさんのTPS・FPSゲームは存在する。TPS+RPGというシステム自体の着眼点は悪くないのだが、システムが荒削りだったり、肝心のRPG自体の要素が薄かったりと課題は多い。結局のところはMOTPSをプレイしているのと変化はないため、さらに作り込みを深めるか独自の要素を入れるかしないと、ただの他ゲーの劣化・ガッカリゲーと化すのは間違いないだろう。
グラフィック:3
特に優れているわけではないが、特に劣っているわけでもない。ただし、ゲーム自体はそれほどスペックを必要としないことを考えれば、それなりにグラフィック面は頑張っていると言えるのではないだろうか。
音楽:2
マイルームの音楽はずっと聞いていても飽きない。それだけ。
やり込み:不明
トライアルテスト期間なため不明。
見抜き:2
洋ゲーっぽいけどいけないことはない
課金度:不明
トライアルテスト期間なため不明
必要スペック(軽さ):3
予想していたより軽かった。AVA程度だろう。
運営:2
これといってまだ大きな行動を起こしているわけではないが、前述の参加券システム等から「DMMはソシャゲとネトゲをごっちゃにしているのでは?」と思われている。辛い話だが、HOUNDSをどう運営していくかでDMMのオンラインゲーム部門の評価は左右されるといっても過言ではないだろう。
民度:3
DMMのアカウントは18歳未満は作れないはずなんだけどなぁ……
-HOUNDS 公式
http://hounds.dmm.com/
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